NISAのリスク

NISA口座で損したのに税金を払うケース

NISAについていろいろと解説が出ていますが、大方儲かることを前提にした解説しかありません。損が出たときには、逆に税金を払うケースもあります。むしろそのほうが多くなるのではないかと危惧しています。

私が買った株の中には、買った翌日から買値を上回ることなく、10年以上持ち続けている株があります。今では「石の上にも15年」なんて冗談を言っている始末です。

NISAは5年の期間限定ですが、2018年投資分までは、下図のように、さらにもう5年NISA枠に移すことができます。

NISA

いずれにしても儲けを出さなければ、余計な税金を払ったりして、損してしまいます。NISA口座と上手に付き合って投資してください。

NISA口座は、2014年から2023年までの10年間の期間限定。年間120万円までを5年間非課税で運用。2018年運用分までは、5年目年末のNISA口座に残高があれば、120万円まで非課税枠に移管可能。

2024年以降については、いずれアナウンスがあるでしょう。

損したときはNISA口座で売却

2014年に株価2,500円の銘柄を400株買ったとします。たとえ手数料を払ったとしても、100万円(2016年からは120万円)の対象になりません。分かりやすくするために、次のような例を考えてみました。

購入後株価は上がらず、売るチャンスもなく、5年間保有した結果、逆に2,000円に下落したとします。5年後の2019年末の選択肢は3通りあります。

ひとつは特定口座や一般口座に移すこと。

二つめは、もう5年間非課税枠に移すこと(2018年まで)。

三つ目は、NISA口座で損したまま売ることです。

一つ目の特定口座や一般口座に移すと、取得価格は2500円ではなく、移管時の株価の2,000円になってしまいます。その後株価が2,500円に戻ったので、やれやれとの思いで全株売ったとします。どうなるでしょうか。

もう気がついたかと思いますが、売却時点で、(2,500-2,000)×400=200,000円の売却益になってしまいます。その結果、儲け20万円となって、儲けの20%である40,000円を税金として払うことになります。最初に買った株価に戻ったのだから、本当は儲けていないが、NISA制度では税金を払うことになります。

二つ目の5年間非課税枠に移管(ロールオーバー)して、うまく2,500円以上で売れれば、税金はかかりません。売らずに5年経過すれば、特定口座や一般口座に移すことになります。その後、2,001円以上2,500円未満で売却すれば、税金がかかることになります。

三つめの損が出ていて、NISA非課税枠に移すことができない場合は、移管せずにNISA口座で売却することです。そうすれば、損しているのに税金を払うことは回避できますが、損をしたことには変わりありません。

NISA口座では損が出ても、損はなかったものとみなされます。NISA口座での損はないことになるので、特定口座や一般口座と損益通算はできません。これも問題点のひとつですが、決まりなのでしょうがないです。

配当金は株式数比例配分方式に

また、NISA口座で受け取った配当金や分配金についても、税金を払う必要はありません。しかし、配当金や分配金の受取方法を、「株式数比例配分方式」にしないと非課税になりません。NISA口座を開設する前に、必ず「株式数比例配分方式」に変更してください。

ただし、株式分割や増資で単位未満株を保有していると、その株式は「特別口座」(特定口座ではありません)で管理されます。「特別口座」に保有株があると、「株式数比例配分方式」に変更することができません。特別口座の株を事前に証券会社の口座へ移管する必要があります。

株なら銘柄を絞り込め

たとえば、表のように5銘柄購入したとします。そのうち4銘柄で、儲けが出ましたが、1銘柄だけ、運悪く大きな損が出たとします。結局トータルで2万円の儲けで終了になり、非課税の恩恵はわずかになってしまいます。

【手数料は考慮していません】
購入銘柄 購入単価 株数 購入額 売却単価 売却額 損益
A 2,000円 100株 200,000円 2,300円 230,000円 30,000円
B 1,500円 100株 150,000円 1,600円 160,000円 10,000円
C 1,300円 100株 130,000円 1,500円 150,000円 20,000円
D 3,200円 100株 320,000円 2,600円 260,000円 60,000円
E 1,000円 200株 200,000円 1,100円 220,000円 20,000円
合計     1,000,000円   1,020,000円 20,000円

NISAでは複数銘柄に分散投資しないほうが良いということです。好財務内容かつ高配当利回り1銘柄に絞り込みたいところです。ただし、現在高値圏にある銘柄は避けるべきです。