国民健康保険料の所得割

旧ただし書き方式に統一

合計所得金額と総所得金額等の違いを理解すると、国民健康保険料の所得割が見えてきます。また、国民健康保険で「所得」の用語を使うときは、自治体によって所得の範囲が変わってくることがあります。自治体のホームページは概して不親切なところが多いので、自力で調べてください。窓口で聞いても100%信用しないほうが良いと思います。

しかし、平成25年度からは、住民税方式と本文方式が廃止されて、旧ただし書き方式に統一されて、所得割の所得の算定は全国共通になりました。

上場株式等の譲渡益と、上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択)から、繰越した譲渡損失を引いた額がマイナスなら、確定申告しても国民健康保険料に影響ありません。プラスなら、プラスの額だけ国民健康保険料に反映されます。

総所得金額

確定申告書の給与所得、雑所得、配当所得、一時所得など、表の丸1~丸8の合計金額(丸9)が「総所得金額」です。

確定申告書B様式
所得金額

【注意】「総所得金額」ではありません。

  • 配当所得
    上場株式等の配当金で、源泉徴収された配当所得は確定申告不要です。申告しなければ所得金額に加算されません。源泉分離課税を選択して、確定申告することもできます。
  • 総合譲渡所得
    ゴルフ会員権、特許権、書画、骨董、貴金属などの資産の譲渡から生ずる所得のことです。特別控除額が最高で500,000円あります。また、5年超の長期保有のものは、その2分の1が課税対象の所得になります。
  • 一時所得
    生命保険契約等に基づく一時金、損害保険契約等に基づく満期返戻金、賞金、競馬等ギャンブルの払戻金、遺失物取得の報労金などの所得のことです。こちらも特別控除額が最高で500,000円あります。一時所得の2分の1が課税対象の所得になります。

合計所得金額

合計所得金額とは、上記の総所得金額に次の所得を加えた金額になります。

  • 特別控除前の分離課税の長期短期譲渡所得金額
  • 株式等の譲渡所得金額(注)
  • 株式等の配当所得金額(注)
  • 先物取引の雑所得金額
  • 山林所得金額
  • 退職所得金額

(注)上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額が合計所得金額に含まれます(国税庁:No.1331 上場株式等の配当所得に係る申告分離課税制度から)。

総所得金額等

  • 純損失や雑損失の繰越控除
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
  • 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
  • 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
  • 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

つまり繰越控除の適用後が、「総所得金額等」で、繰越控除の適用前が「合計所得金額」となります。

国民健康保険料の所得割

上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除があると、繰越控除適用後の 総所得金額等-33万円(旧ただし書き方式)によって、国民健康保険料が算出されます。

繰越控除適用後によって所得割を算出するので、上場株式等の譲渡益と、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得から、繰越譲渡損失を引いた額がマイナスなら、確定申告しても国民健康保険料にまったく影響がありません。プラスなら、プラスの額だけが国民健康保険料に反映されます。

複数の特定口座の源泉徴収あり口座を持っているときは、自由に申告する特定口座を選択できるので、損益がプラマイゼロになるように確定申告すれば、国民健康保険料への影響を最小限に食い止めることができます。

上場株式等の譲渡益がある源泉徴収あり口座は、口座ごとに、譲渡益と配当金、譲渡益のみ、配当金のみ中から、都合の良いものを選んで確定申告ができます。ただし、 損益通算する場合は、必ず譲渡益と配当金を申告しなければなりません。