財務諸表の3箇所を見るだけ
財務諸表の自己資本比率、流動資産、流動負債を見るだけで、銘柄の倒産度が分かります。実際に倒産したシーズクリエイトの財務諸表を見ながら検証します。
自己資本比率、流動資産、流動負債
財務諸表を見るのが面倒でも、自己資本比率と流動比率だけは、調べておきましょう。
東証1部のシーズクリエイトは、2006年5月に東証1部に上場しましたが、2008年9月26日に民事再生法の適用を申請して倒産しました。東証1部に上場してから、わずか2年半で上場廃止になりました。

1.流動資産
資産の部の流動資産の合計額を見ます。流動資産は、2007年3月末には24,211百万円だったものが、2007年8月末には737百万円へと急減です。
現金預金が少なく、不動産在庫が多く、値引してもなかなか売れない現状では、流動資産の額はさらに目減りしそうです。
流動資産は、1年以内に現金化できる勘定科目です。
2.資産合計
同様に資産の合計額23,583百万円です。
3.流動負債
次に、負債の部の流動負債の合計額を見ます。流動負債は14,228百万です。
流動負債は、1年以内に支払期限が到来する勘定科目です。
4.流動比率 5.1%
流動比率は、一般的には150%あれば、当面の資金繰りに問題ないと言われています。では、シーズクリエイトの流動比率を計算してみます。
◆(流動資産 ÷ 流動負債 × 100) = 737 ÷ 14,228 ×100 =5.1
となり赤信号です。資金は底をついており、物件が売れない現状では、ほぼアウトです。
ちなみに、2007年3月期は、24,211 ÷ 15,030 ×100 = 161.0 で青信号が点灯していました。1年で急変です。4半期ごとに必ず計算してください。
5.純資産
次に、純資産の部の純資産合計額を見ます。純資産合計は5,410百万円です。
6.自己資本比率 22.9%
通産省の商工業実態基本調査では、大企業の製造業平均値は40%、卸売業が22.8%、小売業が24%となっています。では、シーズクリエイトの自己資本比率を計算してみます
◆(純資産 ÷ 総資産 × 100)5,410 ÷ 23,583 ×100 = 22.9
となり危険水域です。
結論
シーズクリエイトは、流動比率も自己資本比率も倒産信号点灯中です。シーズクリエイトへの投資は、見送りが賢明でした。
企業名 | 自己資本比率 | 流動比率 | コメント |
---|---|---|---|
シーズクリエイト | 22.9% | 5.1% | 投資不適格 |