IHI財務諸表から倒産度予測

自己資本比率・流動資産・流動負債を調べる

東証1部IHI(7013)の自己資本比率・流動資産・流動負債を調べるだけで、IHIの倒産度合いが簡単に分かります。財務諸表を見ながら計算してみましょう。財務諸表の中で見るところはほんの数箇所です。

では、早速IHIの財務諸表を見てみましょう。2008年2月2日に平成21年3月期の第3四半期決算短信が開示されました。それによると、当期純利益80億円から、当期純損失250億円の下方修正です。株価も100円を割り込んでしまいました。投資べきか否かを調べてみましょう。

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チェックポイント1:自己資本比率

まず、自己資本比率を調べます。自己資本比率は企業の安全性を判断する財務分析指標のひとつで、この比率が高いほど企業の安全性が高く、一般的には、50%以上が望ましいと言われています。通産省の商工業実態基本調査では、大企業の製造業平均値は40%、卸売業が22.8%、小売業が24%となっています。

それでは、自己資本を計算しましょう。

自己資本比率は、次の式により計算します。

  • 自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100

自己資本は、純資産合計から新株予約権と少数株主持分を引いた金額なので、194,656 - 206 - 14,562 = 179,888百万円になります。

総資産は、負債と純資産の合計額で、これは負債純資産合計として、1,558,149百万円となっています。これで自己資本比率が計算できます。

◆ 自己資本比率 = 179,888 ÷ 1,558,149 × 100 = 11.5

と低い数値が出ました。為替変動リスクや、プラント事業の原価管理など、来期に向けて気になる問題が山積なので、この数値は危険水域と言えます。


チェックポイント2:流動比率

次に流動比率を調べます。流動比率は、企業の財務の安全性を判断する指標で、資金繰りに問題がないかを判断できます。一般的には150%あれば、当面の資金繰りに問題ないと言われています。この指標でも倒産危険度を判定できます。

決算短信P7の四半期連結財務諸表を開きます。

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1.流動資産

最初に、資産の部の流動資産の合計額を見ます。

流動資産は、1,109,625百万円です。現金預金が58,966百万円で、流動資産の5.3%と少ないですが、受取手形と売掛金は、308,242百万円で、流動資産の27.7%あります。流動資産は1年以内に現金化できる勘定科目です。

この資産の部の流動資産の額1,109,625をメモします。ついでに電卓も用意しておいてください。または、Excelに入力しておきます。

2.流動負債

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次に、負債の部の流動負債の合計額を見ます。流動負債は、946,990百万円です。流動負債は1年以内に支払期限が到来する勘定科目です。

同様に負債の部の流動負債の額1,363,493百万円をメモするか、Excelに入力します。

3.流動比率を求める

これでふたつめの判断材料である流動比率を求めることができます。

流動比率は次の式により計算します。

  • 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

◆ 流動比率 = 1,109,625 ÷ 1,363,493 ×100 = 81.3

となり、150%を大幅に下回っており問題のある数値です。プラント事業の巨額損失を2008年3月期に計上しており心配です。

IHIの流動比率81.3% は危険信号点灯です。

結論

これで会社の健全度チェックは完了です。自己資本比率と流動比率のふたつの指標だけで、財務の安全性を判定できます。

IHIは、自己資本比率も流動比率も危険信号点灯中です。かつて業績が悪いときは、土地売却の特別利益でしのいできましたが、これからはどうでしょうか。新規投資は見送りが賢明です。