2008年は、近年まれにみる倒産ラッシュでした。引き続き2009年も上場企業の倒産が止まりませんでした。大きく下げた株、万年赤字会社、売り上げ不振会社の株を持っていたら、今すぐ財務諸表を見ましょう。
財務諸表の数箇所を見て簡単な計算をするだけで、上場企業の倒産度合いが分かります。かつて倒産した企業や、直近の決算が悪い企業の財務諸表を見ながらやさしく説明します。配当があっても安心できません。
財務諸表を見ると、頭が痛くなる方でも、簡単に会社の財務状況を判断できます。チェックポイントは、自己資本比率と、流動資産、流動負債の数値だけです。時間にすると5分もかかりません。
それでは早速始めましょう。最新の財務諸表を、ホームページから開くか、郵送されてきた事業報告書を準備してください。まず、自己資本比率から調べていきます。
上場廃止になった日本航空(9205 JAL)の上場廃止前の財務諸表を見て、倒産度を調べてみましょう。JALのIRページから、平成22年3月期の第2四半期決算短信(2009/11/13発表)を開いてください。

自己資本比率は、企業の安全性を判断するも財務分析指標のひとつで、この比率が高いほど企業の安全性が高く、一般的には、50%以上が望ましいと言われて います。通産省の商工業実態基本調査では、大企業の製造業平均値は40%、卸売業が22.8%、小売業が24%となっています。
自己資本比率は、次の式により計算しますが、既に1ページ目に掲載されています。
非常に低い数値が出ました。巨額の赤字を出し続けているので、このままでは債務超過は確実です。早急な自己資本増強が必要でしょう。
流動比率は、企業の財務の安全性を判断する指標で、資金繰りに問題がないかを判断できます。一般的には150%あれば、当面の資金繰りに問題ないと言われています。この指標である程度倒産危険度を判定できます。

流動比率は次の式により計算します。
まず資産の部の流動資産の合計額をメモします。流動資産は、439,419百万円です。現金預金が97,588百万円、受取り手形と営業未収金は203,704百万円あります。流動資産は1年以内に現金化できる勘定科目です。
次に、負債の部の流動負債の合計額をメモします。流動負債は、667,168百万円です。流動負債は1年以内に支払期限が到来する勘定科目です。
これで流動比率を求めることができます。では、流動比率を計算してみます。
◆ 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 = 439,419 ÷ 667,168 ×100 = 65.8%
となり、150%を大きく下回っており、非常に厳しい数値です。
これで会社の健全度チェックは完了です。簡単ですね。このふたつの指標だけで、財務の安全性がだいたい分かります。JALは、流動比率も自己資本比率も赤信号点灯中です。JALへの投資は見送りが賢明です。JALは、2010年1月19日に東京地裁に会社更生法の適用を申請しました。
【緊急】今すぐ自分の保有株の流動比率と自己資本比率を調べてください。そして、危険だとの結論に達したら、迷わず保有株は売却してください。
倒産した企業の倒産直前の財務諸表や、赤字決算企業の最新の財務諸表から計算した流動比率と自己資本比率です。
| 企業名 | 流動比率 | 自己資本比率 |
|---|---|---|
| 日本航空 | 65.8% | 8.2% |
| シルバーオックス | 70.9% | 27.5% |
| パイオニア | 124.6% | 28.7% |
| IHI | 81.3% | 11.5% |
| アーバンコーポレイション | 223.8% | 15.8% |
| オリエンタル白石 | 96.8% | 15.8% |
| シーズクリエイト | 22.9% | 5.1% |